遺伝子組み換え技術の最新動向サマリー(2026年1月)

出典:HOBIA NPO法人 北海道バイオ産業振興協会

ハイライト

遺伝子技術に関する法規制について

2025年12月16日、European Commission(欧州委員会)は、食品および動物飼料への使用目的で4種類の遺伝子組換え(GE)作物、トウモロコシの新品種 DAS1131 の新規承認と、既存の3種類のGE作物(MON 87427 トウモロコシ、MON 88302 油糧ナタネ、MON 87708 ダイズ)の輸入を承認した。これらの承認は、欧州連合内でのこれらの遺伝子組換え(GE)品種の輸入および加工を許可するものであるが、欧州での栽培は、許可されてない。

欧州食品安全機関(EFSA)の遺伝子組換え生物パネル(EFSA GMOパネル)は、stearidonic acidを生産する遺伝子組換え(GM)ダイズ MON 87769の更新申請を受理した。

イネに関する研究

中国農業科学院の研究者たちは、グリホサート耐性を持つ稲「BriA15-38」の開発に成功した。GMイネは強力なグリホサート耐性を示し、非常に高用量のグリホサートに対しても生き残ることができ、通常の健康な成長を維持した。この画期的な成果は、農家にとって大規模な稲作圃場での雑草管理をより容易かつ効率的にするための有用な手段となる。

その他

中国の Nanjing Agricultural University と Xinjiang Agricultural University の研究者たちは、野生ダイズ(Glycine soja)が高塩分条件に耐えるのを助ける重要な遺伝的メカニズムを特定した。転写因子GsWRKY23が下流の遺伝子 GsPER3をどのように調節し、GsPER3を活性化することで塩分耐性が向上することを示している。

近畿大学の研究者たちは、ナスに自然な begomovirus 抵抗性を与える単一の遺伝子「Ey-1」を特定した。

デンマークの Aarhus University の研究者たちは、スマートフォンのカメラを使って特定の DNA 配列を検出できる新しい方法を開発した。この技術は、DNA が存在する場合に発光するように設計されたタンパク質を利用しており、食品、医療、農業、製薬分野での DNA 検査をより迅速に、安価に、そして手軽にする可能性がある。

中国科学院(Chinese Academy of Sciences ;CAS)が主導した、205か国・地域をカバーする画期的な60年間のグローバル研究により、コメ、ムギ、トウモロコシ、ダイズの4つの主要穀物における窒素およびリンの利用効率(NUEおよびPUE)が明らかになった。つまり肥料の使用量が大幅に増加しているにもかかわらず、NUEおよびPUEは依然として極めて低いことが判明した。熱帯地域のコメや温帯地域のコムギは比較的効率が高い一方で、米国や中国などの主要地域でのトウモロコシ生産は「高投入・低利用」のパターンに悩まされている。特に、4つの主要穀物すべてのPUEは50%未満で、作物は毎シーズン施肥される肥料よりも土壌中の天然栄養分に頼らざるを得ない状況にある。

植物

  • EUが4種類の遺伝子組換え作物の輸入を承認および更新
  • 新しい化学的方法が望ましい作物特性の選択に役立つ
  • 世界205か国を対象とした60年間のグローバル研究により、主要穀物の栄養利用効率の低さが明らかに
  • 携帯電話のカメラでDNA配列を検出できる可能性
  • ゲノム編集を用いてダイズの塩耐性を向上
  • グリホサート耐性イネ「BriA15-38」を開発
  • 欧州食品安全機関(EFSA)がBAYERの遺伝子組換えダイズ MON 87769のEUでの継続使用に関する安全性を再確認
  • 日本の科学者がナスにおける初のBEGOMOVIRUS抵抗性遺伝子を同定
  • オーストラリアが遺伝子組換え(GM)パープルトマトの商業的リリースを承認

食糧

  • 知識は、Z世代のGM食品に対する見方を形成する(後述)

環境

  • グリホサートの使用は地球規模のCO2排出量削減に寄与する

その他

ISAAA(国際アグリバイオ事業団)はバイオテクノロジーの最新情報に関する拡張購読プランを提供

ISAAA は、1996 年から 2020 年にかけて発表した『商業化された GM/バイオテクノロジー作物の世界状況(Global Status of Commercialized GM/Biotech Crops)』を通じて、世界的にバイオテクノロジー作物の導入に関する情報の最も権威ある情報源と見なされている。本レポートは ISAAA創設者兼名誉会長の Clive James 博士および ISAAA Inc.事務局長の Rhodora Romero-Aldemita博士によって執筆されてきた。ISAAA は、2024 年の GM 導入データと分析(2024 adoption data and analysis)を含む次回の報告書を 2026 年 2 月に発表予定である。

Biotech Updates(バイオテクノロジー最新情報)の購読者には、この待望される貴重な報告書への独占アクセスを取得し、電子ニュースレターを通じて最新の動向を常に把握することをお勧めしている。そのため、ISAAA Inc.は、ISAAA の GM 作物導入レポートを含む拡張購読プランを提供している。

エリート会員は、フルレポートおよび四半期ごとに発表される地域別レポートが含まれるプランを100 米ドルで利用できる。2026 年 1 月 31 日までにこのプランに加入する個人には、さらにボーナスとして、すべての主要な発見をビジュアルで示した 57 枚のスライドの概要が提供される。

プレミアム購読は 50 米ドルで利用可能で、フルレポートのみが含まれる。新しい Biotech Updates (バイオテクノロジー最新情報)の購読プランのご検討を。法人向けの購読も利用可能である。詳細は knowledgecenter@gmail.com までメールでお問い合わせを。

知識は、Z世代のGM食品に対する見方を形成する

FPT Universityの研究者によって行われた研究は、知識がZ世代(1997年から2012年生まれ)の遺伝子組換え(GM)食品に対する認識や購買意思決定にどのように影響するかを調べたものである。この研究は『Journal of Agriculture and Food Research 』に発表され、ベトナムの若い消費者の態度に情報がどのように影響するかを理解することを目的としている。研究では、Z世代の回答者416名を対象に調査を行い、知識が利益とリスクの認識にどのように影響するかを分析した。

分析の結果、知識が多いほど認識される利益が増え、認識されるリスクが減少し、それがGM食品に対する全体的な態度を形成することが分かった。利益の認識はリスクの認識よりも態度に与える影響が強いことが確認された。調査結果は、前向きな態度が遺伝子組換え(GM)食品の購入意欲を予測する最強の要因であることを示しており、これは社会的承認やアクセスおよび消費に対する信頼によって支えられている。

知識は、リスクに関する懸念を減らすよりもむしろ、認識される利益を高めることで購入意図に影響を与えた。本研究は、GM食品の利点を明確かつ透明で科学的根拠に基づいて伝えるコミュニケーションが、より前向きな態度を築き、ベトナムのZ世代消費者の受容を促進するのに役立つ可能性があると結論づけている。

詳細については、Journal of Agricultural and Food Researchの研究「How knowledge influences the purchase intention of generation Z toward genetically modified foods」をご覧ください。

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